『よみはぴ』にようこそ。
ブックレビュアーの瑠璃花です。
大変ご無沙汰しておりました。体調不良でしばらくお休みを頂いておりました。ゆっくり再開させて頂きます。
新学期が始まって一ヶ月ほどすると『テキストが難しい。全部読まないとレポートは書けないのか?』という質問がSNSに溢れかえります。それに対するお返事で、歓迎されるのはたいてい『読まなくても単位取れたよ。』という回答。でも、本当にそうでしょうか。そこで安心してしまって、テキストを読まないでレポートを書くと、大きな落とし穴が待っていますよ。ちょっと長くなりますが、順を追ってこの疑問を解説しますね。
それ以前に知っておきたい『通信制大学の教科書のレベルは?』
通信制大学のテキストは、大まかに2つのタイプがあります。
- その大学の先生が通教部用に書いたオリジナルのテキスト
- 市販の専門書をそのままテキストとして使う場合
どちらであってもここで大事なのは、どれも楽しみでパラパラ読む読書用の本ではなく、専門書だということです。
教科書を読むこと=授業を受けることの代替と位置づけられているので、鼻歌交じりにラノベのように読めるというわけにはいかない事が多いのです。
通学課程だと、先生がその難しいのを口頭で説明してくれるので、テキストも何とか読めるようになっていくのですが、通教生にはそれがありません。
一人で読んでいて、分からないし難しそう……と、ほぼ読まなかった教科書と、課題提出の締切を睨んで、『テキストが難しい。全部読まないとレポートは書けないのか?』という悲鳴が上がるわけです。
しかし、教科書イコール授業だとしたら、授業も聞かずに課題やテストを仕上げられると思いますか?しかも、ただでさえ難しそうなのに。
さあ、絶体絶命。どうしましょう?
何故、テキストを読まないのは危ないのか?
実は方法がないわけではないのです。
皆さん気になるのは、通信課題の合否ですよね。最初の方で出てきた『読まなくても単位取れたよ。』という回答は「通信課題に関連するところだけ読んでも理解出来たよ。合格したよ。」という意味なのです。
ただ、これにも落とし穴があって、それより前のページの部分は理解してるよね?という前提で設問されていたり、順に課題に該当する部分がテキストの後半になってくるにつれ、読まずにおいたところに『知ってて大前提』(だって読んだよね?)という知識が隠れていて、そこを分からないままで『自分だけが立派と思う解答』を作ると不合格をくらうという悲劇がおきるのです。(←私のことです。はい。経験者談なのですよ)
こうして乗り切る『教科書の壁』
最初から最後まで、無理に一度で通し読みしない
スラスラ読める内容だったり、あなたが詳しいジャンルの本ならともかく、分厚くて難しい専門書は、いきなり通し読みしようとしてはいけません。挫折します。ではどう読むのか。直近で提出する課題に関わる部分までだけ、通し読みしましょう。
イメージとして、教科書は、その科目の通信課題が全て提出し終わった時に一度目の通読が終わっている感じでOKです。ただ早く読むより、確実な内容理解が大事です。
少し易しいレベルの本を読んでから再挑戦
- 担当教授か、教科書の著者の『同テーマ』の本で、一般向けに書かれた本を2冊(新書レベル)読んでみる。
- 課題に指定された参考文献から、先に読んでみる。
- 大学図書館に教科書を持って行き、趣旨を話して、司書さんにお勧めを探してもらう。一般書レベルの場合は公立図書館でも有効。
教科書や、指定された参考文献は、教授ご自身の著作のこともあるでしょう。別の著者の本でも、それは、数ある学説から、課題のトピックや教科に対する考えを『こういうふうに捉えて欲しい。理解して欲しい』と厳選されたものです。
ですからまず、同じ執筆者の本で、もう少し易しく書かれた本を通読し、その科目で扱う考え方の基本をざっくり掴んでみましょう。難易度の基準は新書くらい。新書はだいたい大学の一般教養の講義と同等か、少し易しいくらいと言われています。そちらを読んでから教科書に戻ると、理解しやすいはずです。
それでも不合格をもらってしまったら……?
- がっかりしないで!受かるまで挑戦すべし!一発合格しない時もある!再提出を怖がらないで!
- 先生からの講評をしっかり読んで、自分の解答に足りなかった部分や、余分だった内容。理解が薄かったところを箇条書きにしよう。
- 上記の振り返りのあと、もう一度教科書や参考文献にあたって、新しい解答を作りましょう!推敲を忘れずに。誤字脱字や引用元の明示ミスがないか特に注意してください。
おわりに
いかがでしたか?少々長くお付き合い頂きましたが、
「教科書を読まないでなんとかなる?」
という疑問は解けましたか?
「こんなに難しいなら単位だけもらいたい。勉強をやめたい」
と、弱気になることもあるかもしれません。でも、それではたぶん単位は来ませんし、もしもらえても、入学した時の自分から、何も変わらないままで卒業になってしまいます。
「大学なんてたいしたことなかった。」
「つまんなかったなあ。」
なんて思いたくないですよね。
教科書も、その他の教材も、動画も、指定された参考文献も全てあなたへの、教授からの選びぬかれたメッセージです。理解するのに一筋縄でいかず、自分で合う基礎書籍を探すのも、学習の大事な要素。経過なくして成果はありません。
今回の記事が、あなたのお役に立ちますよう祈っております。
今回自分の苦い経験と対策をバラしちゃったのですが。
ご一緒に頑張っていきましょう!応援しています!
ここまでお読み頂いて、ありがとうございました。
また遊びに来てくださいね。